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【メダカ初心者混乱】PSBとは?【メリット・デメリット解説】

みなさまこんにちは!
ちわ丸メダカブログです。

今回の記事では、タイトルにもある通り、鑑賞魚、特にメダカ飼育においてよく使用される赤い液体「PSB」に焦点を当てて解説します。

メダカ中級者以上の方にとっては、「そんなの知ってるよ!」「何をいまさら」というツッコミを受けそうですが、ご容赦ください。

メダカ初心者、これからメダカを始めようとする方のなかには、

  • PSBの存在すら知らない。
  • 存在は知っているけど効果がよくわからないから使っていない。
  • PSBについて深く理解していないけどなんとなく使っている。

このような方も多いのではないでしょうか。
正直、私はそうでした。

この記事を最後まで読むことで、PSBとはいったい何者なのか、PSBの役割、メリット、デメリット、培養方法などについて学ぶことができます。
私も含め、メダカ初心者の方が、なるべく分かりやすいようにまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。

PSBとは何者?

まず、PSBとはいったい何者なのでしょうか。

すごく簡単にいうと、光合成を行う細菌、「光合成細菌」のこと。英語表記(Photo Synthetic Bacteria)を略したものです。
光合成細菌とは、「紅色非硫黄細菌」「紅色硫黄細菌」「緑色硫黄細菌」などの細菌類の総称になります。

一般的に、メダカ屋さんなどでPSB(光合成細菌)として販売されているのは、「紅色非硫黄細菌」のようです。

本ブログにおいても、以後『PSB』という表記は紅色非硫黄細菌を指すことといたします。

光合成細菌は自然界でどこにいる?

光合成細菌は、自然界でもさまざまな場所に生息しています。特に、水の中や湿った土壌に多く見られ、光が届く場所であれば活動することができます。
酸素の多い場所を好む好気性のものと、酸素の少ない場所で生きる嫌気性のものに分かれます。メダカ飼育のために販売されているPSBは嫌気性を示します。

PSBはどのような役割を担っている?

PSB(光合成細菌)は、太陽の光エネルギーを利用して、無機物質から有機物質を生成します。作られた有機物質は、細菌自身の成長と繁殖に使われるとともに、他の生物によって食べられることでその生物の重要なエネルギー源となります。
例えば、微小な動物プランクトンがこれらの細菌を食べ、さらにそれを食べる魚といった具合に、PSBが作り出したエネルギーは食物連鎖を通じて生態系内で流れていきます。
このように、PSBは自然界でもエネルギーの供給源であり、食物連鎖の基礎を支え、物質循環の初期段階で重要な役割を果たしています。

PSBが赤く見えるのはなぜ?

PSBが赤い理由は、「バクテリオクロロフィル」「カロテノイド」という2つの色素の働きによります。バクテリオクロロフィルは太陽光の赤い光や近赤外線を吸収して、細菌の光合成に必要なエネルギーを提供します。
一方、カロテノイドは青や緑の光を吸収し、赤やオレンジの光を反射するため、細菌が赤く見えます。カロテノイドが吸収する光は直接エネルギーを生成しませんが、光合成の効率を高め、細菌を強い光から保護するという役割を持ちます。

商品として売られているPSB

こちらが私がメダカたちに与えている実際のPSBになります。

メダカ屋さんで、このようなペットボトルが置かれている光景や、ユーチューブなどSNSでこの赤い液体をドボドボと飼育容器に入れている場面を見たことがないでしょうか。
これこそが、PSB(光合成細菌)です。

メダカ飼育におけるPSB使用のメリット・デメリット

自然界でのPSBの役割や特徴が理解できたところで、メダカ飼育における使用のメリット・デメリットを考えてみましょう。

メリット

水質浄化

PSBは有機物質を分解してくれます。つまり、餌の食べ残しや糞から発生する水中のアンモニアや亜硝酸などの有害物質を安全な形に変換します。これにより、水槽内の水質が改善されることが期待できます。

餌源の提供

PSBは飼育容器内の生態系において、直接および間接的に重要な餌源となります。
PSB自体が直接摂取されるだけでなく、光合成を通じて水中にビタミン、アミノ酸、その他の有機物を放出。これらの有機物は、メダカをはじめ他の微生物やプランクトンの成長を促し、水槽内の栄養価を豊富にします。
飼育容器内の閉鎖空間においても、自然に近い栄養循環を再現され、特に生後初期の針子の生存可能性が高まります。

色揚げ効果

PSBに含まれるカロチノイド系の色素がメダカの色合いを向上させる効果が期待されます。もちろん、色を良くするためにはカロチノイドだけではなく、バランスの取れた栄養、適切な飼育環境、遺伝といった多くの要素が関係しています。
しかし、自分のメダカの色彩を少しでも向上させる可能性があるのなら、愛好家としてはぜひとも試してみたいですよね。

デメリット

過剰な投与による水質悪化

PSBは有機物を分解するので、基本的には、水質を改善する効果があります。
規定量より多少多く投与したとしても、特段問題ありません。
しかし、度を超えた過剰投与は、生成される過剰な有機物が他の微生物の増殖を促します。これらの微生物が酸素をたくさん消費することで、水質悪化や酸素不足を引き起こすおそれがあります。
購入した商品(PSB)の規定量はなるべく守るようにしましょう。

強い臭い

PSBのもう一つのデメリットとして挙げられるのが、その独特な強い臭いです。
この臭いは、細菌が有機物を分解し、光合成の過程で特有の代謝産物を生成することにより発生します。この過程で生じる化学物質が、空気中に放出されることで、強烈な臭いを感じさせます。
私の家族が、突然発せられたこの臭いによって、なんともいえない表情を浮かべていたのを思い出しました。

入手方法

メダカ専門店やネット通販で簡単に購入できます。

私は、下記の商品をアマゾンで購入しています。使い方や培養方法などが記載されたわかりやすい説明書が同封されていて初心者の方にも安心です。

実際にPSBを使った感想

上の写真は、PSBを投入しながら、育てている稚魚たちです。

実際にPSBを使用し始めてから、私は針子や稚魚の生存率が顕著に向上したことを実感しています。
針子のヨークサックによる栄養が尽きたあとの餓死は、やはり主な死因の一つであるようです。
私は、針子の餓死を防いでくれるだけでもPSBの使用を続ける価値はあると考えてます。

培養方法

PSBは、市販薬であるエビオス錠を使って、培養することができます。


これにより、PSBを使用することに対するコストパフォーマンスが大幅に改善します。適切なノウハウを身につければ、PSBを自宅で簡単に培養することが可能です。

PSBを増やすためには、適切な栄養を与える必要があります。その役割を果たすのがエビオス錠。エビオス錠は、ビール酵母を主成分とした栄養補助食品で、PSBにとっても優れた栄養源となります。
手順は、以下の通りです。

  • ペットボトルの50%程度の市販のPSBを入れます。
  • 1Lあたり4粒程度のエビオス錠を入れます。
  • カルキ抜きをしていない水道水を直接ペットボトルの満タンまで入れて、空気が入らないように、キャップをしっかりと閉めます。
  • 日光の当たる場所におきます。温度は20度以上が望ましいです。
    特に冬の場合には、十分な光と温度の確保が困難ですが、暖かい室内の窓際や、LED などを使用し、培養することも可能です。
  • 一日一回、容器をしっかりと振って混ぜます。
  • 1週間ほど繰り返し、濃い赤色になったら完成です。
    赤くならない場合には、エビオス錠の量や温度、光の条件を見直します。

各メーカーから販売されている、専用の培養セットを使用する方法もあります。

最後に

  • そもそもPSBとは何者なのか
  • PSBの役割
  • メリット、デメリット
  • 培養方法
  • 実際に使った感想

本記事では、これらについて記載してきました。
PSBの効果については、いまだ様々な見解があり、意見が分かれる部分もあるかと思います。
この記事が、読者に対して、PSBに関する理解促進や、その効果について考えるきっかけを提供し、より良い飼育環境へと繋がる一助となれば幸いです。

それでは、本日はこの辺で。

ご覧いただきありがとうございました。

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